相続放棄の申述(A1)

A1の相続放棄の申述に必要なものを列挙しますと、

●申述書

●収入印紙

●郵便切手

●添付書類

となります。

 

申述書は、最高裁判所のホームページから、様式をダウンロードしてください。

http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_kazisinpan/syosiki_01_13/index.html


【申述書】

下の記入例(裁判所HPから引用)を見ながら作成します。

まず、申述書を提出する裁判所ですが、下記のページで調べます。

 

http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html

 

提出する裁判所を間違えてしまって、3か月を過ぎてしまったということは、絶対に避けてください。特に、家庭裁判所の本庁と支部が分かれている場合で、本来は支部に提出するところ、本庁に提出してしまうことがないように、注意してください。

 

「申述人」欄は、相続放棄をこれからしようと思っている方をお書きください。

「法定代理人」欄は、申述人が未成年者であったり、被後見人の場合に記入します。

「被相続人」欄は、亡くなった人のことを記入します。

 

               <相続放棄申述書(表)>
               <相続放棄申述書(表)>

申述書の裏ですが、

「申述の趣旨」欄は、記入例の通り、相続の放棄をする。と記載します。

 

「申述の実情」欄は、※相続を開始を知った日を記入します。

1(被相続人死亡の当日)は、相続人が被相続人が死亡した日に死亡したことを知った場合です。例えば、被相続人の死亡の場に立ち会ったときが該当します。親戚などの第三者から、死亡当日に連絡を受けたような場合も該当します。

 

2(死亡の通知をうけた日)は、死亡当日は、連絡を受けなかったが、その後連絡を受けた場合です。

 

3(先順位の相続放棄を知った日)は、A1ではあまりないと思います。

しかし、全くないとは言い切れませんので、解説しますと、自分は相続人ではないと思っていたが、先順位の相続人が相続放棄したので、相続人の地位が回ってきた場合です。

A1は、それ(自分が相続人となったことを知ったの)が死亡3か月以内となります。

 

「放棄の理由」欄は、該当するものに丸をつけてください。

6その他とありますが、ここは1から5に該当する理由がない場合に、○をつけ、【】内にその事情を簡単に記入します。

例えば、「債務超過のおそれがある」とか「かかわりあいをもちたくない」とかです。

 

「相続財産の概略」欄は、亡くなった方が残したプラスの財産とマイナスの財産を記入します。わからない場合は、「不明」と記入します。

              <相続放棄申述書(裏)>
              <相続放棄申述書(裏)>

【収入印紙・郵便切手】

収入印紙は、申述人1人につき800円です。

郵便切手は、管轄の裁判所に直接聞いてください。裁判所によって異なります。

大阪家庭裁判所本庁では、80円切手、10円切手各5枚の450円分が必要となります。


【添付書類】

添付書類は、申述人と被相続人との続柄によって異なります。

詳細は、こちらをご覧ください。


相続放棄申立後の流れ

相続放棄即日審判について

A1の場合の申立後の流れとして、大阪家裁の場合を例に挙げますと、即日審判手続きが行われる場合と、行われない場合があります。

 

即日審判とは、本人が家裁に出向き、相続放棄申述書を添付書類をそろえた上で提出した日に、裁判所の審理を受けるというものです。

 

即日審判は、申し立てたその日(即日)に審判がなされるもので、債権者からの請求がきていて、早急に相続放棄をしたいという場合に利用できます。

 

即日審判は、相続放棄の書類を持参して、家裁に出向きますので、郵便切手は必要ありません。特に、予約も必要ありませんが、即日審判の受付時間が決まっています。平日の午前9時30分から11時、午後1時から3時(夏季、年末年始は変更あり)です。

 

ただし、この即日審判を利用する条件が決まっています。

子(子を代襲する孫)が親(日本国籍に限る)の相続について、放棄する場合で親の死後、3か月以内に申述する場合に限ります。

配偶者が被相続人の死後3か月以内に相続放棄をする場合も同様です。

 

所要時間は、1時間から1時間半です。


相続放棄照会・呼び出し

即日審判ではない場合、裁判所は申述書の提出を受けた後、書面をチェックし、申述人に対して一定の事柄を書面で照会(書面が裁判所から届きます)したり、裁判所に来てほしいと呼び出す場合があります。

 

この場合は、照会を受けた書面を記入して、回答します。

また、呼び出しを受けた場合は、裁判所に電話して日時の調整をすることになります。

 

また、照会や呼び出しが全くない場合もあります。


相続放棄申述受理証明書の送付

照会書への回答や、裁判所での事情聴取等を経て、裁判所は相続放棄を認めても差し支えないと判断した場合、相続放棄申述受理の通知書が普通郵便で届きます。

そして、これを督促が来ているのであれば、当該債権者に写しを交付するなどして、請求をやめるように連絡します。

 

また、自分が相続放棄をしたことで、本来ならば相続人にならない人に相続人の地位が移ってしまう場合は、その方に自分は相続放棄したことを連絡して、その方にも相続放棄を検討するするように、促してあげた方がよいと思います。